ガラスコーティング市販品を自分(DIY)で施工する場合の注意点と施工手順

Pocket

車のボディをガラスコーティングする際にその金額の高さからDIYで行う人が増えています。ただ、自分でやろうと思ってもガラスコーティング剤は種類が多く、種類によって施工時の注意点は様々です。またきちんと行わないとその効果を十分に発揮できません。DIYでガラスコーティングを行う施工方法や注意点をコーティングをしたことがない方にも分かるようにご紹介いたします。

【なぜガラスコーティングは必要なの?塗装の構造からみる理由】

車の塗装は4層構造になっています。
第一層 さび止め
第二層 下地
第三層 カラー
第四層 クリアー層
第一層がボディの鉄板に一番近く、クリアー層が表面で目に見える部分です。第一層のさび止めはボディの素材である鉄が錆びないように保護してくれています。第二層の下地はその上にカラー塗装が美しく表現されるために、ボディの細かな凹凸をならします。第三層はカラーで抗酸化作用のある樹脂とカラー顔料から構成されています。第四層はクリアー層で目的は「塗膜の保護」と「カラーの深みを演出」してくれています。

なぜこのように四層もあるのかということは、よく職場などに置いてあるロッカーを見て頂くと分かりやすいです。何枚もの扉の奥に保護されているロッカーではなければ、丸く塗装が剥げて錆びているのを見かけると思います。ロッカーなどは基本的に一層のカラー塗装のみで施工されており、雨や水、汚れなどによって塗装に傷がついたり、酸化をして浸食されてしまうためです。

とはいえ、四層あれば完璧かといえばそんなことはありません。車は外を走りますし、駐車場の環境によっては吹きさらしということもあるでしょう。雨などの水滴やほこりなどの汚れは日常茶飯事で、雨や鳥のフンに含まれる酸化物質によって塗膜に穴があいてしまうこともしばしばです。それでもボディ本体の鉄板が浸食されないのは、それぞれの層の全く同じところに穴があかないためです。

今回、DIYでガラスコーティングを施工する方法がテーマですが、ガラスコーティングは第四層のクリアー層にあたります。カラー塗装やボディを保護する目的は勿論のこと、新車の時の深みのあるカラーも復活し、コーティング剤によっては3~5年はもちますので勿論水洗いや洗車は必要ではありますが圧倒的に手間もコストも減ります。

【DIYでガラスコーティングを施工する手順】

施工の手順や時間は様々です。プロのディーラーでも3~6時間というところもあれば、1日~1週間程度かけるところもあります。コーティング剤はボディのクリアー層に被膜をはることで汚れなどからボディを守ります。しっかりとボディに密着をさせることがポイントになります。
その為、傷や汚れによる凹凸があると効果が薄れてしまうので、専門店では傷の具合などもチェックをして下地などの簡単な修理を同時に行ってくれることが多いです。

DIYでガラスコーティングをする際には専門店ほどしっかりとやる必要はないですし、実際には設備がないものもあると思いますが、先に触れたコーティング剤の特性によって、DIYで行う際にも抑えておきたいポイントはあります。以下に施工の流れをご紹介します。
1)水洗い+カーシャンプーでボディ全体を洗車
2)イオンデポジット・ウォータースポットの除去
3)ピッチタール・鉄粉の除去
4)コンパウンドによる磨き作業
5)ボディ全体の水洗い
6)拭き取り・エアブロー
7)脱脂
8)マスキング(プラスチック、ゴム、ガラス部分)
9)ガラスコーティング
10)乾燥と硬化

【DIYでガラスコーティングを施工する各工程の詳細と注意点】

ここからは先に触れたガラスコーティングの施工工程に沿って、各工程を詳しくご説明いたします。
1)水洗い+カーシャンプーでボディ全体を洗車
これは主に泥や砂、ほこりなどを除去する目的で行います。まず水を全体に流して落ちる汚れをしっかりと落としてから、カーシャンプーを使って水洗いで落とせなかった汚れを落とします。

この工程で怖いのは2つ。1つはスポンジなど目の粗いものを使用してゴシゴシこすることによってかえって塗膜に傷がつくいわゆる「洗車キズ」をつけることです。のちの工程でもご紹介しますが、コーティングは表面に凹凸がない状態で行わないと効果をしっかりと発揮しません。新たな傷を増やさないように「専用クロス」を使われることをお勧めします。
もう1つは、「シャンプー残り」です。カーシャンプーは本体に残留しやすく、残留し続ければ当然ボディの塗装を傷めます。できるだけ泡だらけにしないでシャンプーを使わなければならない汚れにだけアプローチするのがおすすめです。

2)イオンデポジット・ウォータースポットの除去

1の工程が終わっても乾きかけのボディを見ると白や茶色にシミのような汚れが残っていることが多いと思います。これがイオンデポジット・ウォータースポットです。
どちらも雨水と洗車時の水の拭き残しなどによってできた「水のシミ」ですが、若干の違いがあります。
ウォータースポットは、水を吹き残すことで水の膜がレンズの役割をして太陽光を集めてしまい塗装を侵食したシミ。
イオンデポジットは、雨水などが蒸発する際に水分だけ蒸発して、水に含まれている成分(水道水であればカルキやカーシャンプーの残りなど)が残ってしまうことによるシミです。
成分が異なりますが、ウォータースポットは白っぽいシミで肉眼ではわからなくても塗装を凸凹にしてしまっているので、削るしかありません。従って5のコンパウンドで除去することが出来ます。イオンデポジットは茶色っぽいシミで専用の除去剤によって落として水で洗い流すことが出来ますのでこの工程で行うといいです。

ちなみに、ウォータースポットの予防方法はしっかりと拭き取ることです。広い面積の濡れた部分が残っていることが原因なので、拭き残しを作らなければ防ぐことが出来ます。

3)ピッチタール・鉄粉の除去

ピッチタール・鉄粉とは実際に鉄成分100%の粉ではなく、鉄成分を含んだ汚れのことを言います。具体的には鳥のフンや虫の死骸、はねたアスファルトや砂のことです。2までの工程を終了してもボディに食い込むようについている黒っぽい汚れなので、専用の粘土で除去するのが一番簡単で塗装を傷つけない方法になります。粘土は小さくちぎって手で良くもみ込み、一方向へなでるように使います。
行ったり来たりするような使い方をしてしまうと、成分に鉄を含んでいるので粘土で除去した鉄粉による傷が新たに生まれてしまうので、一方向へ撫でるように行うのが大切です。手で撫でて引っかかる感じが無くなればこの工程は終了です。

4)コンパウンドによる磨き作業

続いてコンパウンドによる磨き作業です。これは先に触れたウォータースポットによる浸食や細かい傷などの凹凸を均一にする目的があります。ただし、研磨するという工程である以上はできるだけ薄く削らないと不要な傷を増やしたり、傷を広げることに繋がってしまうのでコンパウンドはできるだけ粒子が細かいコンパウンド剤を使用することがうまくできるコツです。

また、施工方法については幅広く全体をやってしまうと均一にするために不要に削ることになりかねないので、一定の正方形を考えながら小さい面積でやっていくのがおすすめです。
ちなみに、コンパウンド剤は乾きやすいので、削ったらすぐに拭き上げて傷が残っていたらまた削って噴き上げるのがいいです。このためにも、小さな面積で区切って行う方法をお勧めしています。

意外と力のいる作業ですし、区切りながらじわじわやると長時間かかる工程でもあります。電動ポリッシャーがあれば均一な圧をかけながら時間も短縮できますので、検討されてみて下さい。

5)ボディ全体の水洗い

ここまでの工程では全て「残留物」が発生します。それらをしっかりと洗い流す為の水洗いになります。カーシャンプーなども残留物になりかねないので水を使いますが、マイクロファイバークロスで優しく撫でながら水で流すとより残留物を綺麗に洗い流すことが出来ます。

6)拭き取り・エアブロー

拭き取りをしっかりと行います。水分が残った状態でコーティング剤を塗布してもまたウォータースポットが出来る原因になりますし、コーティング剤と塗装をピタっと密着させないとコーティングの効果も薄れます。エアブローが使えるのであればいいですが、なければしっかりと拭き取りを行いましょう。

7)脱脂

今までの液剤にも油分を含んだものもあり、またこれまでボディに施してきたワックスやコーティングをいったんリセットするための工程です。リセットすることによって、コーティングと塗装面の第三層を密着するための工程でもあります。専用脱脂材を含ませたクロスでコンパウンドと同じように小さく区切って溶剤で脱脂を行い、すぐに拭き上げます。ムラがないようによく確認しながら行いましょう。

8)マスキング(プラスチック、ゴム、ガラス部分)

コーティング剤にもよりますが、プラスチック・ゴム・ガラス部分にコーティング剤がかからないようにマスキングテープで養生します。

9)ガラスコーティング

ガラスコーティング剤は値段も種類も施工方法も様々です。主にスポンジで塗布していくタイプと液体をスプレーして拭き上げるタイプがあります。使うコーティング剤の裏面など使用方法をよく読んでから施工しましょう。
塗布する場合は「塗りムラ」、液体をスプレーする場合は「拭きもれ」がないようにやはり細かく区切って行うのがいいです。

10)乾燥と硬化

自然に乾燥させ、塗膜がしっかりと硬化するのを待ちます。コーティング剤によりますが、硬化に12時間程度かかるものもあります。この工程で一番重要なのは雨や水濡れです。乾く前に濡れてしまうとそこが塗装面との密着を妨げてしまうので、使うコーティング剤から施工時間を逆算して始めるのがよいでしょう。

【DIYでガラスコーティングを施工する方法のまとめ】
長文になりましたが、簡単にまとめると「汚れ・付着物を落とす」「均一にならす」「ムラなく塗布する」ことがDIYでガラスコーティングを施工する際のポイントになります。
最初は時間がかかるかもしれませんが、しっかりと行えば3~5年は持ちますし、新車のような美しさになりますので、日頃のお手入れも楽になります。この記事が快適なカーライフのお役に立てれば幸いです。